若者や障害のある方のアートに触れる ギャラリー【MZarts】

MZarts(エムジィーアーツ)では、「アールブリュット(既存の美術や文化潮流とは無縁の文脈によって制作された芸術作品)」や「エイブルアート(ちがいを超えて人と人とがつながるというようなアートの可能性や、人間の可能性を再発見する活動)」と呼ばれている分野のアートをテーマとした展覧会を随時開催している。

2012年4月に現在よりも黄金町駅寄りにある大岡川沿いの民家で開業。2021年4月に現在の場所に移転し、地元の若いアーティストの作品を扱うmade in koganechoとの共同運営というかたちになった。

運営を行うのはもともと行政やNPOなどの立場から黄金町のまちづくりに中心メンバーとして関わってきたのだという、仲原正治さん。ギャラリーが出来た経緯や、MZartsのこれからについてお話を伺った。

「私自身、基本的には若い人や障害者の方のアートを支持したいという想いがあります。2000年くらいから障害者のアートに関わっていたのですが、障害者のアートって安い金額で売られていることも多くて。額装をしっかりするなどして、きちんと普及させたい。なので半分は障害者のアート、残りは現代アートを僕が持っているのを少しずつ見せながらというスタイルでやっています。」

「あとは入り口のあたりに陶磁器を。陶磁器は、ぼくも女房も大好きだったんです。よくいろいろな窯場へ行って、陶芸家と話をして買ってきたりしていました。」

退職後、趣味として関心を持たれてきた「アート」と、長く活動をされてきた「まちづくり」の視点が重なり合って始めたのがこのギャラリーだ。趣味をまちにひらいていく理由はどのようなところにあるのだろう。

仲原さんは、「ここに来たから」だと話す。

「黄金町というまちをどう活性化させるかというのが、ぼくの大きな課題。アートとまちづくりがライフワーク。まちに入っていっていろいろなことを一緒にやっていくということをやってきたので、黄金町という場所もやりがいのある場所で、趣味であるアートをうまく結びつけてギャラリーはいいなと。」

黄金町のほかにも、東日本大震災の被災地でのご活動、また「赤煉瓦」を個性としてまちづくりをおこなうまち同士がつながる「赤煉瓦ネットワーク」の運営委員を務めるなどさまざまな面で地域に関わってきた仲原さんだからこそできる「アート」によるまちの活性化がある。

以前、日本経済新聞で連載していたまちづくりに関する記事をまとめた「仲原正治のまちある記」はMZartsの公式webサイトから無料で閲覧することができる。

http://www.mz-arts.co.jp/words.html#index

「見たときに心がほわっとするような作品をつくる障害者の方は多いんですよ。色が、ぼくたちだとこれとこれ混ぜていいのかというようなものも、乗り越えていく。そういう感性がいいなと思う。こういう人たちの作品をみんなに見てもらって、1点でも家に飾ってもらいたい。」

MZartsは原則として金、土、日で運営している。その他の曜日も月曜日以外は同建物内にあるmade in koganechoの作品は見ることができる。

ふらっと観賞に訪れるも良し、そして、お気に入りの作品に出会えた時には購入し、家に帰ってからも日常的にアートに触れられるというのもギャラリーならではの楽しみ方だ。ここにあるものは作家との縁が近く、そして仲原さんの思い入れのある作品が多い。ぜひ作品についても、気軽に尋ねてみてほしい。

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