まちの人と関わりながら商いを続ける、老舗のそばだし専門店【永野鰹節店】

一歩足を踏み入れると出汁のいい香り、店内を眺めてみるとまだ袋に入れる前の摺られた鰹節が木箱にのっていることに気づく。

現在の店主は二代目の一ノ瀬成和さん。戦後まもない頃の日ノ出町駅前、成和さんのお父様が乾物屋として店を開いたのが「永野鰹節店」のはじまり。昭和27年(1952年)に会社となり、それから変わりゆく日ノ出町のまちなかで約50年ほど商売を続ける老舗の乾物専門店です。主な販売は鰹節ですが、さまざまな種類の乾物を卸から小売りまで扱っており、周辺の飲食店や個人のお客さんに親しまれています。

「商店街っていっても、問屋街みたいなところだったから、活力はあったんですよ。人が通るってところではなくて、まとめて買いに来られるとかそういうところだった。親父たちは元気がよかったですよね」

一ノ瀬さんは店主の他、初黄日商店会の代表という一面も持っているのだそう。

「親父は夜12時過ぎまでボロボロの車で販売に出かけて、相当苦労されてましたね。その頃はお袋なんかと頑張っていたわけで、残念ながら地域との交流はあまりなかった。しょうがないですね、回らないから。そういうことのあとでまもなく私が継いで、まちを意識せざるを得なかった。やっぱり付き合いをしていかないといけないなと」

さまざまな地域イベントへの参加や、アートのまちづくりを行う文脈でデザイナーとコラボした商品の販売も行う永野鰹節店。周辺で活動しているアーティストとコラボをした「かつウォッチャ」は出汁をお茶として味わえるものとなっています。一ノ瀬さんは「アートで盛り上げている地域でもあるから、こんな参考例もね。いつきても楽しめる、記念になるものを」と語ります。

とはいえやはりこの店のメインは、鰹節。親しみやすい「花がつお」、濃い出汁がでる「宗田」、そして「鯖」。家庭料理から飲食店向けのものまで、用途に合った鰹節が棚に並びます。

「こういう自然産品の方が使っている方にとっては美味しいと思う。ナチュラルなものがいちばんいい。化学調味料は悪くないんですよ、ちょっとだけ足すと効果的なんです。自然のものはどうしても薄い。それでも例えば鯖は自然の甘さがある」

そばだし中心ということもあり周辺のお蕎麦屋と長く関わりを持ってきたそうですが、時代の変化と共に蕎麦屋も減少。それでも近所の飲食店から買い物に訪れる店主や、ふと立ち寄るお客さんの姿が取材中にも垣間見える。

商店会としてのまちの催しの実施やアートとの連携をする一ノ瀬さん。地域と関わりながら商売を行い続けてきた「永野鰹節店」で、このまちの歴史を感じてみるのもいいかもしれない。

そして最後に、店主と初黄日商店会会長という肩書の他、趣味で絵描きをしているという一面もお持ちなのだそう。素敵な作品を、ぜひお店で見てみてくださいね。


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永野鰹節店
〒231-0066 横浜市中区日ノ出町1-101
営業時間 9:00-17:00 
定休日:日曜日、第1・3月曜日
TEL  045-231-6377 FAX 045-231-6819
WEB  https://itp.ne.jp/info/145376789100000899/





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