大正15年創業の小林紙工株式会社は、パッケージの企画デザインから、製作・開発・販売まで行う、紙器の専門店です。
今回は、3代目である小林直樹さんにお話を伺いました。

先代が開業したのは現在の野毛(中区花咲町)のあたり。風呂敷の包装からはじまり、戦後は露天商としてたばこの巻紙など、人々の生活には欠かせない分野で事業を伸ばしていきました。
昭和30年には、問屋街として賑わっていた日ノ出町に工場を移転。その後も拡大しつづけ、現在では横浜市内に4つの営業所を構えています。

「私たちは“黒子”なんです。」
ケーキやお菓子はもちろん、スマホやPCまで、モノには必ずパッケージがついています。
小林紙工さんの仕事は、お客様の商品をどのように包んだら売れるか、を考え抜くこと。その精神は、創業当時から継続して大事にしてきたことだと言います。
一方で、時代の流れにあわせて、新たなチャレンジもし続けています。
環境保護やサステナビリティを意識した技術革新などにも注力。便利さを、今までの技術を活かしながら、どういまの生活に落とし込んでいくのか、が新たな視点になってきました。世界各地で広がる環境保護へのまなざしに、小林紙工さんのレベルの高さが感じられます。

もうすぐ創業100年を迎える地元密着型の企業として、横浜という場所性を大事にしながら、ここから新たな文化を築きたいと話す小林さん。
「ここが運河のまちになったら、かっこいいじゃないですか」と目を輝かせながら、まちへの想いを教えてくれました。

小林さん自身は世界各国を旅した経験から、まちに根付く文化の魅力に惹きつけられたそう。開港以来、異文化を取り入れ、独自の文化を形成してきた横浜。小林さんは、その力強さを現代にも引き継ぎたいという思いから、運河の利活用に携わるようになったそうです。
なかでも日ノ出町は恵まれた地形であると小林さんは言います。
野毛山をたずさえ、アクセスも良く、そして川が流れていること。幼少期から過ごした、誇りに思えるこのまちで、どんな新しい文化が生まれていくのか。

今まで継承されてきたものを大切にしながら、時代にあわせて変化していく。このまちの子どもたちが、将来自慢できるような、そんなかっこいいまちへ。小林紙工さんの熱い想いは、今日もこのまちの流れを支えているのかもしれません。
小林紙工株式会社
〒231-0066 横浜市中区日ノ出町2-145
営業時間 10:00~17:00
定休日:日曜、祭日、一部土曜
TEL 045(242)3388 FAX 045(231)9504
WEB https://kobapack.jimdofree.com